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講演内容 ]
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携帯電話の進化とオープン化
竹田義行(NTTドコモ執行役員) |
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[プロフィール]
1970年早稲田大学・理工・電気卒、1973年同大学院修士課程了、1974年郵政省入省、以来、通信方式標準化、放送デジタル化、電波開放政策、u-Japan政策等に従事、2006年総務省情報通信政策局長退官、2006年(社)情報通信技術委員会専務理事、2007年早稲田大学大学院客員教授(現職)、2007年(財)移動無線センター会長、2008年(株)NTTドコモ執行役員研究開発センター副所長(現職)。
著書「電波/周波数教科書」(インプレス)。「NGN教科書」(インプレス)。 |
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[講演内容要約]
【世界の3G化をとりまく現状】
日本の移動通信はガラパゴス化に向かっているといわれておりますが、データ通信から非接触ICカード、ワンセグテレビの視聴等が可能な高機能を備えた携帯電話がこれだけ多く普及しているのは諸外国と比較してもあまりくなく、非常にぬきんでた存在といえます。性能が高くなっていることで、携帯電話の進化もまた諸外国とは別の道を遂るではないかとも考えられます。
さらに現在3.9G(LTE)や4G導入のため携帯電話の周波数の再編が行われており、2011年7月以降は現在のアナログテレビで利用されている周波数も携帯電話への利用が可能となります。移動サービスのデータ伝送速度は固定サービスの約5年遅れで進化していると言われております。今後移動通信サービスの伝送速度が100Mbps、1Gbpsに達すると、現在の固定インターネットサービスは極端に言えば全てが無線化が可能だろうと予想されています。
【携帯電話のオープン化の背景】
携帯電話業界ではプラットフォーム及びOSのオープン化が進んでおります。昨年アメリカでオークションされたアナログテレビの周波数もオープンプラットフォーム化され、googleがMVNO (Mobile Virtual Network Operator) 制度上の携帯電話サービスに乗り出すでしょう。昨年6月に世界22カ国で発売さたiPhone3Gの出荷台数は4ヶ月で約700万台に達したということで、多くても1機種100万台といわれる日本と比べると、その普及の大きさが伺われます。
【パラダイムシフト後のビジネスモデル】
googleのAndroid Marketの有料アプリケーションサービスが開始されました。また、昨年設立されたSymbian Foundationも将来的なオープンソース化を打ち出しており、OSも今後いくつかに集約されてくる状況といえます。ドコモ独自のアプリケーションであるiモードも、現在比率的にはいわゆる勝手サイトのサービスが多い状況です。
このように、何かをオープン化することにより新しい市場ができることは確かですが、通信事業者にとってははどういう部分をサービスから手放すのかという点が課題になります。そのような中でビジネスモデルを垂直統合型からオープン型に移行し、新たなパラダイムに対応している例としては、iPhoneのappストア、GoogleのAndroid Marketがあります。これらのように通信事業者がトランスポートとサービスプラットフォームを提供し、外部の人がその上で開発したソフトを販売するという新しいビジネスモデルが構築されており、パラダイムシフトの中で利益を確保している事業といえるでしょう。
【今後の動向】
今後通信事業者にとっては、モバイルネットワークの高速化、LTEやWiMAXという新技術、モバイル端末のオープン化という3つのパラダイムシフトの中でいかにビジネスを行うかということが大きな課題となります。収入を確保するためにアプリケーションを開発していくのか、またはサービスで工夫するのかということで、競争が激化していくと考えられますが、標準化を含めたオープンプラットフォームの出現は、アプリケーション開発環境の変化やコンテンツの多様化、または教育界・学会における標準的な教育ツールなどを生み出し、新しい教育や市場を生み出していくのでないはないでしょうか。
以上 |
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