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講演内容 ]
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WiMAXにおける取り組みと動向
冲中秀夫(KDDI執行役員) |
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[プロフィール]
1977年早大院物理学および応用物理学修士修了。1986年工学博士(早大:電気通信学)。1977年にKDD入社、研究所にて移動衛星通信のディジタル化に関する研究開発に従事。1991年からは携帯電話システムの開発、海外事業開発、標準化等。1999年DDI入社、IMT-2000開発。2003年KDDI執行役員au事業本部長、2004年技術企画本部長、2006年技術渉外室長(現職)。 現在WiMAX
Forumボードメンバー。2003-2004年3GPP2 Steering Committee 議長。電子情報通信学会森田賞、業績賞、日本ITU協会功績賞受賞。 |
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[講演内容要約]
【WIMAX事業の特色】
一昨日東京23区と川崎・横浜エリアで試行サービスが開始されました。そこで、我々がWiMAXで何をやろうとしているかということを紹介したいと思います。
WiMAXはUQコミュニケーションズという会社で事業を始める準備をしており、現在約500局基地局が立ち上がっております。
WiMAXの事業には、組み込みのノートブックを市場に出すという考え方と、需要をMVNO事業者様と一緒に拡大しようという考えが大きな柱としてあります。オープンである状態とは何かという事を考えると、インターネットと通信事業のサービスを比較する場合、多くの人はインターネットは全てがクライアントサーバー間で作り上げられるオープンな世界であるのに対し、通信事業はネットワークを繋ぐだけのクローズなものであるという印象をもたれるかもしれません。でも実際はインターネットもクローズな部分があり、そこで競争が行われています。通信事業のオープン性の低さには、ネットワーク品質を担保する必要性という歴史的背景と認識があります。また最近はネットワークの中と外の第3者とのアプリケーション間でインターフェイスを公開することで、ネットのサービス機能を使って新しいサービスをどんどん作っていただこうという流れもあります。
【WiMAXの目指すビジネスモデル】
WIMAXのオープンモデルですが、UQが携帯電話と一番大きく違うところはその売り方にあります。オープン化の議論の根本は単に技術の話でなはく、ビジネスとしてどのように成り立たせるかを考えるということです。日本の携帯電話端末のリテールモデルは、お客様が販売店等でモデムや端末を購入しオペレーターと月毎のサービスの契約をされるという流れであり、ここまでは従来の携帯電話と同じです。しかし、端末の仕様とオペレータの関係では、まず日本ではオペレータはベンダーさんの作る端末の仕様を決める代わりに端末を全て買い取って販売店卸、端末の販売奨励金を出すという仕組みが出来ています。この背景には、オペレータ間の競争の原点は値段とエリア大きさだけなので、財務基盤の小さな会社は端末のデザインや機能を決めることでサービスを差別化しよういうものであり、これを続けてきた結果がガラパゴス化しているといわれる現在の状況です。
一方ヨーロッパでは基本的にオペレーターは端末の仕様を決めず買い取りもせず、販売店さんは端末をは直接ベンダーさんから仕入れるため、オペレータは端末の流通には絡まず販売奨励金も存在しません。UQはこのモデルをねらっております。UQからするとWiMAXのモデムをあらかじめ搭載した組み込みの家電製品がなければ需要を拡大させることが出来ませんから、組み込みの機器が出回りやすくなるような仕掛づくりという事が課題になります。WiMAXの組み込みの機器の普及のためには認証のほか、MVNO様へのネットワークの開放としてUQとして5種類の接続形態を規定し、この場合にはどのぐらいの値段で接続が可能であるかを開示することが現在すすめられています。現在ネットワーク機能はUQが全部持ち、ネット接続、あるいはネットとサーバを組み合わせてISP様へのネット接続サービス提供が始まり、7月までにはさらに踏み込み一部のISP様などサードパーティへの配布を考えております。
以上 |
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