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講演内容 ]
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国際協調における取り組み
花澤隆
(NTT取締役 研究企画部門長) |
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[プロフィール]
1976年 3月 早稲田大学大学院電気工学専攻 修士課程修了
1976年 4月 日本電信電話公社 武蔵野電気通信研究所入社
2002年 7月 同社 情報流通基盤総合研究所
サービスインテグレーション基盤研究所長
2005年 5月 同社 第二部門次世代ネットワーク推進室
ネットワーク技術担当部長
2006年 6月 同社 第三部門長
2007年 6月 同社 取締役 研究企画部門長 (現職) |
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[講演内容要約]
【NTT研究所の役割と取り組み】 NTTの国際協調における取り組みに関しまして、まずその背景として私どもの研究開発の役割、意義とそして現在の取り組みにふれながらご紹介させていただきます。
私たちの研究所は、通常の企業の研究所と同じく会社の持続的な発展への貢献を役割として持っていますが、NTTの研究所は電電公社から引き継がれているという背景から、社会・産業・学術の発展への貢献も合わせたものを企業理念としております。これは日本の国際競争力ということが課題となっている現在、私どもに期待されている面でもあります。
また、キャリアの中での研究開発ということも理念としております。ベンダー企業様におかれても研究開発を行っているので、NTTの研究所はいらないのではと言われることもありますが、個々の装置の研究開発をしているベンダーさんとはまた異なり、私たちが行っているネットワークの高速化、最適化という側面は、実際にネットワークを構築しビジネスをしているところだからわかる部分があると考えております。また、ネットワークを通じた市場へのフィードバックや新サービスの開拓、通信のコモディティ化に対するR&Dを軸としたビジネス創出も考えております。基礎研究から事業目標まで一貫した長期的な研究開発をする際、その中でも重要なものについては基礎研究の段階でも市場からのフィードバックを受けると同時に、外部の色々な大学や企業と連携してオープンイノベーションを行うことにより、お互いの強みやノウハウを生かすという新しい技術革新にも取り組んでいます。
大学との連携は講師の派遣やインターンシップの受け入れの他、より系統だった仕組みづ くりとして包括連携、または論文のビジネス化といった包括的な産業連携を行っています。ビジネス面での連携は大学間側には学生の訓練、双方にとっては新しい人材交流や新しいテーマを探すという副次的なメリット、また学生さんに動いていただくため開発費が抑えられるというメリットもあります。
【研究成果の外国への展開とアジアでの取り組み】 研究成果のグローバル展開ということについてですが、私たちは製造業では無いため具体的にはベンダー企業の海外展開に対する支援という形で取り組んでいます。
直接の研究の他に国際標準化について、いわゆるオフィシャルなビジネスの話だけではなく、技術の普及・仲間作りについても何か物を売るときだけその国に行って買ってくださいというわけにはまいりませんので、製品の売り込みとは少し離れ、開発の段階から一緒に議論をして技術・研究ベースでの交流を深めようとしております。現場で私たちも一緒に汗をかいていくことが、長期的にはNTTの技術や日本の技術が外国に入っていくこと、アジア全体での人材育成や技術力の底上げに貢献するための非常に重要な取り組みであると考えております。従来ヨーロッパ・アメリカのキャリアと進めていた様々な共同研究をアジアのキャリアとの間にも展開することを目標として、ITUの研修への講師派遣やフェローシップの提供などの活動を行っています。
グローバルな連携とは別に、アジア地域に対しての取り組みも重要であると考えます。ヨーロッパでは既にこのような会合がすでに存在していますが、アジアのキャリアと率直に議論しコンセンサスを作れる場を持つことが重要だということで、現地テレコムとの技術交流・推進や、中国・韓国の標準化機関との連携を進めております。
以上のようなキャリアとNTTという関係、大学とNTTという両方の連携をもっと融合させて、総合的・マルチラテラルな関係を強化したいと思っております。国際標準化において技術分野の仲間を作るということ、オープンイノベーションの実現の手段として、海外との大学との連携を更に深めていきたいと思っております。
以上 |
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