|
[
講演内容 ]
|
|
|
AICとアジアにおける取り組み
Khairuddin Ab Hamid (Malaysia Sarawak大学教授) |
|
|
|
|
|
[プロフィール]
Dr. Khairuddin Ab-Hamid is
a professor of electronic systems engineering at Universiti Malaysia
Sarawak (UNIMAS). He is also currently the Vice-Chancellor and Chief
Executive Officer at the university. He graduated with a PhD degree
from University of Essex, United Kingdom and MSc degree in Electrical
Engineering from University of Hawaii, USA. He was the founding
Dean for the Faculty of Engineering when UNIMAS started in 1993
and also the Founding Director for Centre of Excellence on Rural
Informatics established in 2007. He also held many other posts including
Dean, Faculty of Information Technology, Deputy Vice-Chancellor
(Research & Services), Deputy Vice-Chancellor (Development), Deputy
Vice-Chancellor (Research and Innovation), Deputy Vice-Chancellor
(Student Affairs and Alumni). He was a visiting professor at Waseda
University for 4 months in 1998 where he conducted research in the
area of wireless networking and its application in distance education.
He is now an adjunct and honorary professor at Cape Peninsula University
of Technology, South Africa. He is the Project Leader for the award-winning
e-Bario project. He is a member of various national committees on
telecommunications, ICT education, and professional body such as
Institute of Electrical and Electronic Engineers (IEEE), Malaysia
Section where he served as Deputy Chairman from 1992-1996. Internationally,
he was the Chairman for Working Group 3 (Policy, Regulations and
Projects) of the Asian Info-communication Council (AIC) since the
working group was established in 1998. He has published a book (Translation)
entitled “Information Theory and Coding” and contributed chapters
in “ISDN Based Technology Guidebook” and “Broadband ISDN Based Technology
Guidebook” published in 1990, 1996 and 1997 respectively. He has
also contributed 3 chapters in the Encyclopedia of Developing Regional
Communities with Information and Communication Technology published
in 2006. He also has published a number of technical papers in IEEE
Proceedings and more than 60 papers in national and international
seminar and conferences. He is also an editor for Malaysian Journal
of Computer Science and Malaysian |
|
|
|
|
講演映像はこちら講演資料はこちらWEBパネルディスカッションはこちら |
|
|
|
|
[講演内容要約]
国際協調とICT人材育成というと大学間の連携だと思われる方も多いかもしれませんが、私は政府や関係機関による支援や実施もまた必要であると考えています。ここでは、日本とマレーシア間の政府レベルでの人材育成、経済支援及び連携の支援に関する事例と、私自身も活動に参加したAICについて、その活動内容とアジア地域への貢献についてご紹介したいと思います。
【政府レベルでの連携】
1982年のルック・イースト政策以降大勢の若いマレーシアの人材が留学目的もしくは日本企業で働くために来日しており、両国間の関係の基盤を作ってきました。また大学間連携の面では、両政府間で1992年に”マレーシア高等教育基金事業(HELP)”が発足し、現地の大学と日本の大学との間でカリキュラムなど教育面でのさまざまな提携が行われ、日本への留学の機会を広げています。今年七月には両政府からの提案によって実現した新しい大学、マレーシア・ジャパン・インターナショナルユニバーシティーがクアラルンプールに開校されます。ここには日本の大学からも教員が招かれる予定で、早稲田大学をはじめ多くの日本の大学と日本企業による様々な連携・共同プロジェクトが実施される予定です。これは今後の両国の関係にとって大変意義深いマイルストーンとなることと思います。また、経済面では現在マレーシアでは、1400以上の日本企業が事業を行っております。昨年、マレーシア政府主導による2020年までの大規模な経済開発計画となるボルネオ島のサラワク州再生エネルギー開発回廊(SCORE)に、日本企業からも太陽電池などに使われる多結晶シリコンの製造拠点設立の投資が決定されました。この計画は電力供給事業に力をいれた地元経済活性化計画として、各国からの関連企業の参加が期待されています。
【AICの活動】
AIC(Asian ISDN Council:ISDN国際共同研究会)は1988年アジア諸国の社会経済の発展と地域の生活水準の向上を情報通信社会から支援することを目的とする非営利組織として発足しました。発足当時、日本・韓国・シンガポール・フィリピンの四カ国だった参加国はのちにマレーシア・タイ・インドネシア・中国・ベトナムが加わり計9カ国に増え、2008年までの20年間、参加国やメンバーにより、通常の会議を始め様々な共同プロジェクトやセミナー、書籍の出版などの活動が行われました。NGN、次世代無線通信技術、高速ネットワーク等の通信技術、様々なアプリケーション、マルチメディアサービス、人材育成などのテーマを分野別に3つのワーキンググループに分けて実施されました。私が設立に携わったワーキンググループ3では、スペシャルプロジェクトや政策・規制の他、都市と農村間のデジタル・デバイド対策として無線技術とブロードバンド技術を利用した遠隔地への情報通信サービスの提供、遠隔教育や遠隔医療の技術等をテーマとした数々の研究プロジェクトが実施されました。
【地球規模的課題解決に対する連携の有効性】
AICはNGN、インターネットや無線などの先端技術やサービスを通じてアジア地域の情報通信基盤向上のために、参加国や各メンバー同士をつなげる糊のような役割を果たしてきました。強い連携体制の下での知的資源を提供し、人材育成やさまざまな共同プロジェクトの実験実施と成果の共有を通じ、各地域の情報通信環境の整備、生活水準の向上に取り組んできました。昨年3月にその活動を終えましたが、AICが今まで取り組んできた様々な活動は、今後もGITIアライアンスのような新しい形の連携を通じて引き続き行っていくことができると思います。地域的格差の解消と同様に自然災害、貧困問題、食糧問題、エネルギー資源等地球的規模の課題に対して、情報通信技術を通じて一緒に取り組み乗り越えることで、地球的な安定と平和の創生に貢献していけると思っています。
以上 |
|
|
|
|